文字色昨年4月25日、JR西日本の福知山線で大規模な脱線転覆事故が起きた。
この事故がはからずも示したことは、小泉首相の進める構造改革がいかなる結果をもたらすのかという事実であった。そして、実際、現在社会の至るところで同様の矛盾が噴出している。マンション等の耐震構造の偽装問題にしても、時代の寵児ともてはやされた「ホリエモン」が行なった法を逸脱したマネーゲームにしても、金のためならば何をやってもいいという資本主義のもっとも劣悪な腐朽性が露骨に現れている。
多国籍化した大企業の意を受けたグローバリズムの行き着く先は、労働者に対する徹底した搾取、大衆収奪の強化と非人間的な管理抑圧の強化である。このことは、郵政民営化でもしかり、全国的規模で推し進められる市町村合併による自治体労働者に対するリストラでもしかり、「是正指導」の名の下に進められる教職員労働者に対する弾圧でもしかりであろう。
民間おいては、トヨタのように1兆円を超える利潤を上げる大独占企業がある一方、正社員が派遣社員やパート、アルバイトといった非正規雇用労働者に取って代わられている。これは賃金を大幅に切り下げ、大独占企業の「国際競争力」を高めるためである。この流れは一層激しくなっている。
かって闘う労働組合の中心的存在であった国労を解体し、総評を解散させた政府・独占資本は、もはや連合に結集するような労働組合さえ必要としなくなってきている。労働者の団結権を奪い去り、労働者をバラバラに解体することこそ彼らのねらいである。労働契約法の制定策動は疑いもなくそのためのものである。労働者は団結し、闘わなければ、生活はおろか、命さえも守れない時代へと突入している。
新社会党は、5千万人とも言われる圧倒的多数を占める中小・零細企業の未組織労働者、非正規雇用労働者の中に入り、組織し、労働運動の再生をはかり、勤労者市民の党としての地位を確固として築くため全力をあげる。この課題をやり遂げたときこそ、真に労働者人民の生活と命を守り抜くことができるであろう。否、断固として守り抜かねばならない。
以上決議する。
2006年5月14日
新社会党広島県本部第11回(結党10周年)定期大会

スポンサーサイト